世界が憧れるスーパースター(エルヴィス・プレスリー)と恋に落ちた14歳の少女プリシラの物語を繊細に美しく描く『プリシラ』より、プリシラの運命が動き出す本編冒頭シーンが解禁となった。
シャネルやヴァレンティノが彩る飛びきり甘美なシンデレラストーリーのなかに、ソフィア・コッポラがこれまで描き続けてきた人間の孤独や疎外感といったビターなエッセンスを潜ませた緻密で繊細な本作は「ソフィア・コッポラ 最高傑作」(Rolling Stone)、「First Loveの素晴らしさを描いてる」(Littie White Lies)と評価され、昨年秋、全米ではA24が配給。そのファッション性と話題性で多くの若い女性客を魅了し、『ロスト・イン・トランスレーション』、『マリー・アントワネット』(06)に次ぐ大ヒットとなった。
今回解禁する本編シーンは、父の転属によって西ドイツで暮らし始めたプリシラが、軍施設のイーグル・クラブのカウンターに一人座っている場面から始まる。外国の生活になじめず、寂しさが漂う彼女に声をかけたのは、テリー・ウェストという軍人。「よく見るね、軍関係者?」「西ドイツはどう?」と優しく話しかけるテリーにプリシラも表情をやわらげる。すると「エルヴィスは好き?」と突然の質問が。ふっと笑い「もちろん、嫌いな人いる?」と答えたプリシラは、彼のパーティに時々呼ばれるというテリーから「今週末君も来る?」と誘いを受ける。「親に聞いてみる」と冷静さを取り繕い、クールに答えるが、プリシラの横顔と細かい仕草から、憧れのスーパースター、エルヴィス・プレスリーに会えるという胸のときめきが感じられる場面だ。 そして続くショート予告編では、その後のエルヴィスとの愛の日々が映し出されていく。ここから、14歳のプリシラの運命が動き出し、まさにジェットコースターのような人生が始まっていく印象的な映像となっている。
■『プリシラ』本編の冒頭映像
ソフィア・コッポラ監督は、プリシラ役のキャスティングについて、若さゆえの世間知らずさと、グレースランドという特殊な環境で遂げた内面の成長を同時に体現できる表現者を求めていた。そして「プリシラ(本人)と話すといつも、とても優しくてやわらかでオープンな印象を受けます。ケイリーに会った時、同じ長所を持っていると感じました。ケイリーはとても表情豊かで、人生の異なるステージを演じ分ける驚くべき能力を備えています」と絶賛。
そしてベルリン国際映画祭で最優秀女優賞に輝くなど大きな評価を受けたケイリー・スピーニーに対し、プリシラ・プレスリー本人も「素晴らしい演技だった」と賛辞を惜しまなかったという。
ケイリー・スピーニーは「これは人間ドラマ。極めて特別なもの。エルヴィスとプリシラは私たちにとってアメリカの特権階級だけれど、今までは本当の意味で裏事情を目にすることはなかった。本作はそれをやってのけたと思う」と自信をみせる。 14歳から20代後半まで、プリシラの繊細な変化と成長を見事に演じきったケイリー・スピーニーを通して、観客も知られざるプリシラとエルヴィスふたりの愛の物語を目撃することとなる。
4月12日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー