パリの旅愁

アメリカを離れパリに住んでいる若いジャズメン、ラム・ボーエンと黒人のエディ・クックは、セーヌ左岸の「クラブ33」で演奏しながら、毎日満ち足りた生活を送っていた。クラブはいつも満員、それに野心に燃えるラムは“パリ・ブルース”というコンチェルトを完成しようとしていたからである。晩秋のある日ラムは世界的なトランペット奏者ワイルドン・ムーアを出迎えにいった。ムーアの手を通じて、完成したばかりの“パリ・ブルース”の譜をレコード王ベルナールに、渡してもらうためである。そのプラットフォームで、彼はアメリカから2週間の休暇旅行にやって来たリリアン・マーニングとつれの黒人娘マニー・ランプソンと知り合った。その夜、彼らのクラブにその2人の娘がやって来た。

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