【STORY】
小さい頃から歌手を夢見ながら結局は平凡な主婦に落ち着き、満たされない毎日を送っていたアリス。だが、夫の事故死の知らせが彼女の人生を一変させた。歌手として人生をやり直すことを決意したアリスは、車で息子のトムと一緒に故郷モントレーに向かって出発する。歌手のアルバイトで生活費を稼ぎ、モーテル暮らしを続けながら、ようやくトゥーソンの町にたどり着く。とりあえずウェイトレスとして働き始めたアリス。ある日、店の常連客デービットに愛を打ち明けられるが…。
【COMMENT】
1970台前半、アメリカでもシングルマザーとして自立するのは大変な時代に、夫の死をきっかけに
アリスは子供のころからの夢である歌手になることを決心して、故郷のモントレーに向かいます。
道中の町のバーでなんとか歌手のアルバイトを見つけますが、薄給なうえに衣装代がかかり、お金はたまりません。バーで出会った男と付き合いが始まりますが、はじめは優しかったその男はなんとDV！その男から逃げるようにして、モントレーに向かいます。
次のたどり着いた町はトゥーソン、そこで生活のために始めるのがダイナーのウェイトレスです。
ダイナーのシーンでは、その当時の雰囲気が出ていて、店主、ウェイトレス、常連客のやり取りもリアルに感じます。監督がこだわったところだと思いますが、作り物の感じがしないんですね。
そして、アリスはダイナーの常連客で牧場を運営しているデービットと出会います。順調に付き合いだす
二人ですが、アリスの息子への対応をきっかけに別れてしますことになります。
アリス役のエレン・バースティンはこの映画の発案者であるので、エンディングはアリスが自立して歌手を目指しモントレーに旅立つことを望み、製作者側はトゥーソンに残り、デービットと結婚するハッピーエンディングを主張したようです。
果たしてエンディングはどうなるのでしょうか？こちらは観てのお楽しみです。
この作品、何気にキャストが豪華なんです。
DVの夫を事故で無くしたシングルマザー・アリス役のエレン・バースティン。そう「エクソシスト」でリーガンの母親役を演じてました。アリスの働くダイナーの常連客役で、まだこの時は新人に近かったクリス・クリストファーソン。アリスが道中で出会うビル役のハーヴェイ・カイテル。アリスにやさしい言葉をかけて近づくのですが、実は結婚もしていてかつDVで暴力的な男を演じています。
「ジュラシック・パーク」に出演しているローラ・ダーン、ここでは子役でちょこっと出演しています。
アリスの息子トムがギター教室で出会う少女役のジョディ・フォスター、はじめはボーイッシュでかっこ
いいので、男の子かと思ってしまいます。そして、有名な女優ではありませんが、アリスが働くダイナーの同僚役フロを演じるダイアン・ラッド。下ネタ満載の汚い言葉を吐くガサツなウェイトレスで、店主,
客とのやり取りが笑えます。
マーティン・スコセッシ監督、「アリスの恋」の後に「タクシードライバー」を撮って一躍有名になります。
◇『タクシードライバー』
この年のアカデミー賞男優賞は「ハリーとトント」のアート・カニー、エレン・バースティンも娘役で出演しています。
◇『ハリーとトント』
そしてこの年のアカデミー賞作品賞・監督賞・助演男優賞などに輝いたのが…
◇『ゴッドファーザーPARTⅡ』
