生活への道
没落した名家の長男ブライトンが南部の土地を処理しに旅した際に見初められ、家族には事後報告で結婚したフィリス。彼女は無理解な義母、陰険な義姉マーサ、ろくでなしの義弟クランシーの中傷に耐え、古い家督をなんとか守ろうとする夫を支えるが、義母らは、裕福な甥マーティンに取り入って資金を回させるダシにフィリスを使い、あわよくば彼とくっつけて、息子との仲を裂こうとする。夫に作家としての才能を認め、励ましていたフィリスだったが、彼はついに妥協して、従兄の与えた辺境メキシコでの仕事に従事し、夫婦は離れ離れに。一方で初めは遊び半分だったマーティンのフィリスへの気持ちも次第に真剣になっていき、彼女は戸惑う。彼の誘いは頑なに断るが、夫の先の婚約者エディスの常に変わらぬ想いも知って、彼との離縁も致し方ないことではと考えたフィリスは、百貨店の服装モデル及び顧客係の職を得、単身働き始める。これを一族の恥だと口悪しく言う弟を殴りつけると、ブライトンは彼女を迎えに雨の中、店の従業員出口で待つ。そして再会。今や彼も新聞社で働いていると告げ、貧しいながらも二人きりの生活に“新しい贅沢”を見出し抱擁しあうのだった……。