ラヤルの三千夜
1980年、ヨルダン川西岸地区ナブルス。パレスチナ人の女性教師ラヤルは、爆弾テロを起こした少年をかくまったとして、イスラエルの刑務所に収監され、裁判も虚しく懲役8年(約3000日)を宣告されてしまう。監獄は、パレスチナの政治犯とイスラエルの犯罪者がいがみあう、かの地の縮図のような世界だった。絶望の日々のなかで、身ごもっていたラヤルはやがて子どもを産むが、パレスチナ人の待遇はますます酷くなる一方だった。そして息子のヌールが2歳になった頃、レバノンの首都ベイルートの難民キャンプでパレスチナ人の虐殺が発生。怒りが沸点に達した女性囚たちはついにハンガーストライキを決行する…。