ラスト・ホールド!
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取手坂大学4年生、ボルダリング部主将の岡島健太郎は悩んでいた。大学卒業を間近に控え、部員は自分ひとり。伝統ある部を存続させるためには6人の新入部員を集めなければならない。それも早急に!
時は入学シーズン。必死の勧誘で、ようやく6人を入部させることに成功した岡島。しかし、経験者は河口亮二だけ。ボルダリングを山登りと誤解しているふしのある新井武蔵、失恋したてでいつもピリピリしている桃田渉、筋肉自慢の元ドラマー高井戸仁太、潔癖症なゲーマー中道学、ダンスが得意で人懐っこい桑本由人と他の5人はクセの強い初心者ばかり。
まずは基礎体力づくり、そして競技ルールの学習…とやらなければならないことは山積みだが、目標は大きく「インカレ優勝! 打倒、ライバルの昇竜大学!」 前進あるのみである。
腕試しにと出場した個人選手権。案の定、決勝に残ったのは岡島と河口のみ。実は河口は、中学生の頃は将来を嘱望されるボルダリング選手だったのだが、あることをきっかけに競技から遠ざかっていた。過去は今でも河口を苦しめる。一方の岡島も故障をかかえ、そして就職活動の為にも、“この試合を最後にする”と密かに決めていた。様々な思いを抱えて挑んだ決勝戦。河口はトップのホールドをつかみ損ね脱落。そして岡島も敗戦する。
岡島が抜けた今、団体戦は最低登録人数ギリギリで戦わなくてはならなくなった6人。ただやみくもに挑んでも勝てないことを悟った彼らは、それぞれ自分の得意なことを活かして試合に向けて戦略を練っていくことに。敗戦に奮い立ち、励まし合いながら練習を重ねて固い友情で結ばれていくメンバー。 しかし、大事な団体戦前に事件が起こってしまい…。