ダブルミンツ
(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子
「女を殺した―」ある日突然、壱河光夫の携帯電話にかかってきた高圧的な声の主は、高校時代の同級生で、今はチンピラになっている市川光央だった。すぐに光央のところに向かった光夫が目にしたのは、車のトランクの中に横たわる光央の彼女の麻美の姿だった。
高校時代に出会った同じ“イチカワミツオ”の音の名前を持つ二人。光夫は冷酷で高飛車な光央と、下僕として主従関係を結ぶこととなるのだった。
そして数年を経て、衝撃的な再会をした光夫と光央。かつての隠微な記憶が忘れられない光夫は、逆らうことなく共犯者となり、森の中に穴を掘って麻美を埋める。光央が麻美としていたペアリングとともに…。
時が経って、自分のしたことが怖くなってしまった光央はあっさり警察に自首。警察は埋めた場所を捜索するが、何も出てこない。取調べで、虚言を吐いたと叱責される光央の前に現れたのは、一匹狼で光央が出入りしている暴力団を監視している、マル暴の中岡刑事だった…。
この事件をきっかけに、光夫と光央の関係は、やがて高校時代の主従関係でない、新しい形の関係へと姿を変えていく。そして警察だけでなく、光央のボスである佐伯も絡み、二人はやがて取り返しのつかない犯罪の姿へと落ちていくのだった…。