AMY SAID エイミー･セッド

あの日、エミは言った(Amy said)…。 全員が、心の片隅に鳴り響いていたエミの言葉をしまい込んでいた。 映画研究会のファムファタル的存在だったエミが突然彼等の人生からいなくなって20年。その命日に久しぶりに集まったのは、パン屋を営む朝田、無農薬野菜をつくる飯田と直子、売れない俳優岡本、キャリアウーマンの美帆、介護士の五島、IT会社を経営する木塚。「わたし本当は知ってるの、エミが死んだ理由。ずっとみんなに言いたかった」突然の直子の言葉に、それぞれの中で止まっていた時間が動き出す。そしてそこに訪れる、招かれざる客、川崎。彼が現れた理由は、朝田にとって思いもよらないものだった。かつて同じ夢を見て、同じ夢に破れた。20年後、僕たちはようやく本当に語るべきことを語り合える。生きること、死ぬこと、そしてまた生き続けること。エミが最後に言いたかった言葉を探す、ある一夜の物語。