髑髏銭

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時は五代将軍綱吉の頃、江戸の下町に一人淋しく住む武家娘・お小夜。ある夜、その家に猫の死骸の入った風呂敷包みがころがりこんだことから事件は始まる。銭酸漿と称する覆面の武士がその包みを奪おうとした時に現われたのが神名三四郎という浪人。三四郎は乾分の仙太の情報で、この世に三枚の髑髏銭があり、その三枚が揃った時、駿河大納言家の財宝を得る事、そして一枚が御用商人・銅座、一枚が将軍家用人・柳沢の手に、もう一枚が庭に埋めた黒猫の腹の中にある事を知ったが、この時すでに銭酸漿のために墓は暴かれた後だった。財宝を独り占めしようとする柳沢に髑髏銭を献上せよと命令された銅座は、銭酸漿を倒して急場をしのごうと必死になっていたのだ。折も折、綱吉が柳沢邸に出かける事を聞いた三四郎は、好機到来と柳沢家へ仕官して入邸することに成功した。綱吉の訪れた夜、警備にあたっていた三四郎は、仙太が髑髏銭を盗もうとした事から追われる身となり、途中、銭酸漿と銅座たちが対決しているところに出くわした。銅座の鉄砲が火を吹き倒れる銭酸漿。その直後、走り込んだ三四郎の白刃が唸り銅座も倒れた。死に際した銭酸漿の言葉から、彼はお取り潰しになった大納言家の遺臣で、三枚の髑髏銭を守ろうとした忠臣であることが判る。再び柳沢邸にもどった三四郎は、綱吉の前に現われ「叔父上!」と意外な事を…。

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