忍性 NINSHO
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まだ年端もいかぬ幼き忍性は、嵐の翌日、最愛の母を亡くした。その母の心願であった出家を叡尊により戒を授かり果たすこととなった忍性の深愛に共感した父は、忍性を立派な僧にすべく、全ての私財を叡尊へ託した。
その頃忍性は、大飢饉により病に苦しむ多くの人々を救うべく小屋を与え衣類を与える救済活動に励んだ。母の出家への願いは、この衆生救済にあり、それは文殊の信仰にあった。
ある日のこと、足の悪い一人の女性は、生活ができず市場で物乞いをしていた。忍性は1日も欠かさず彼女を背負い続けることで文殊の功徳、そして母への供養となることを信じ続けた。多くの人々が病に苦しむ中、忍性に決断の時がやってくる…。