塀の中の神様
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終戦の年に誕生した福永輝義の幼少期は、吃音症が原因での虐めの連続であった。貧乏な家庭環境も重なり、不満を口にしてしまう輝義に対し、母親の房子は、いつも優しい言葉で慈愛の精神を教えるのだった。 房子の深い愛情により、輝義は素直な子供に育って行く。中学を卒業し、夜間学校に通いながら就職。 職場での真面目な仕事ぶりは、仲間、上司の信頼を得、昇進していく。理想の女性も現れ、輝義の未来は順風満帆に思われた。 が、その恋は、失恋という結末に終わる。輝義は悲しみを忘れる為、無我夢中で仕事に打ち込む。
程なくして、退職。仲間と起業し、事業を成功させる。そんな、再起した輝義に人生最大の危機が訪れる。 狡猾な手形詐欺。会社の倒産。債権者、仲間から浴びせられる罵詈雑言。借金申し込みの為に歩き回る男に対しての世間の冷たい風。 憔悴しきった男は、自殺を考えガス管を銜える。突然、雷鳴とともに、聞こえてくる天声。
男は再起に目覚め、自らを福永法源と名乗り始める。宗教法人「法の華三法行」を主宰し、自らが聞いた天声を語り、 多くの信者を擁する。
そして、市井の人が知ることになる、逮捕、15年の獄中生活…。