ドクムシ
(C)2016「ドクムシ」製作委員会 (C)合田蛍冬 八頭道尾/双葉社・E★エブリスタ
大学生のレイジが目を覚ますと、薄暗い室内に一人で倒れていた。壁には黒板がかけてあり、どうやら学校の教室 のようである。何もわからぬまま扉を開けると、派手なシャツを着たトシオと女子大生のユミが現れた。 「ここはどこだ!?」といきなりレイジにつかみかかるトシオ。やがてその建物にはキャバ嬢のアカネ、新聞記者を名 乗るスーツ姿のユキトシ、ヲタクのタイチ、寡黙な少女ミチカをあわせて7人の男女 が閉じ込められているとわかる。いつ、どうやってここに連れて来られたのかは、誰も覚えていない。
7人は手がかりとなる情報を集めようと学校らしき建物の中を探して回るが、出口となりそうなところはすべてシャッターや鉄板 で塞がれており、あらゆる場所に監視カメラが設置されていた。トイレの水道から水は出たものの、食料になりそうなものは見当 たらない。最後にたどり着いた部屋で7人が目にしたのは、大きな寸胴鍋と鎖につながれた肉切り包丁……そして壁では7日間分の 時間を示すカウントダウン計の数字が静かに時を刻んでいた。
自分たちの置かれた状況についてレイジたちが話し合っていると、ユキトシの口から、ネット上の都市伝説である『蠱毒』とい うデスゲームの存在が告げられる。ルールは『毒虫』となる7人を特定の場所に7日間監禁して殺し合わせること。助かるのは生き 残った最後の一人だけ……互いを食い合わせることで最強の『毒虫』を生み出す古来の呪術を人間で再現しようとしているのでは? というユキトシの発言で、7人の間にお互いへの疑いが生まれる。
高まる不安と疑いに怯え、空腹とストレスに追い詰められていく7人の間で、遂に後戻りできない事件が発生する。これは本当に ゲームなのか。だとしたら誰が、なぜ、こんなことを? カウントダウンの数字がゼロになるまで生き延びれば解放されるのか、 それとも最後の1人になるまで終わらないのか!? 極限の状況で生きようとする本能が理性を食いつぶし、人間を狂わせていく…。