ディアーディアー
(C)2015オフィス桐生
山あいの長閑な町。この地にかつて「リョウモウシカ」と呼ばれる幻のシカが居たという。
シカを発見した三兄妹は一躍時の人となるが、やがて目撃は虚偽とされ、三人には「うそつき」というレッテルが貼られる。
それから二十数年後、三人は別々の人生を歩んでいた。シカ事件で精神を病んでしまった次男の義夫は病院暮らし、末娘の顕子は駆け落ちの果てに酒浸りの生活。長男の冨士夫は家業の老朽化した工場と莫大な借金を背負っていた。父危篤がきっかけで久々に再会する三人だが、顕子の元カレや義夫の同級生らが絡み、葬儀中に騒動が巻き起こる。再び岐路に立たされた三兄妹の行く先は……。