惑星ミズサ
とある田舎町の商店街の一角にある提灯屋の息子として生まれ育ったヨシスケ。美しい風景が漂うこの町は、ヨシスケにとって変化のない時間が流れ続ける退屈な場所だった。「ただいつもと違う日にしたかった」という軽い気持ちで、風俗店に足を運ぶ。ヨシスケはそこで、ミズサという一人の風俗嬢と出会う。
ミズサは少し変わった魅力のある女の子で、自分が宇宙人だと名乗る。ヨシスケにとって、不思議でいつもとちょっと違う一日が終わりを告げる。街の外れにある掲示板でのやりとりを経て、何回か会う事を重ねていくヨシスケとミズサ。ミズサに「なぜ風俗嬢をやっているのか」と問うと、「自分が風俗を辞めると地球が滅亡するから」だという。
恋心とも言えぬ特別な感情を抱きはじめていたヨシスケは風俗の仕事を辞めてほしいとお願いし、ミズサは風俗を辞めると約束をする。ミズサが風俗を辞めたせいなのか、それとも偶然なのか、やがて【黒い物体】が地球を覆い始めた。