岸辺の旅

(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/COMME DES CINEMAS
夫の優介が失踪してから3年。妻の瑞希は喪失感を経て、ようやく、ピアノを人に教える仕事を再開し、日々を暮らしていた。 そんなある日、突然、夫が帰ってきた。そして、帰宅した優介は瑞希に「俺、死んだよ。」と告げる。そして「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ。」という優介に誘われるまま、2人で旅に出る瑞希。それは夫が失踪してから、自宅に戻ってくるまでの3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅だった。 ひとつめの町では新聞配達を生業とする孤独な初老の男性を、ふたつめの町では小さな食堂を営む夫婦を、みっつめの町では山奥の農園で暮らす家族を訪ねる2人。 失われた時を巡るように、優介と一緒に過ごし、優介が見たこと、触れたこと、感じたことを、同じ気持ちで感じていく瑞希。旅を続けるうちに、瑞希はそれまで知らなかった優介の姿も知ることになる。 お互いへの深い愛を、「一緒にいたい」という純粋な気持ちを改めて感じ合う2人。だが、瑞希が優介を見おくり、言えなかった「さようなら」を伝える時は刻一刻と近づいていた―。

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