ポルトレ PORTRAIT
僕はもう三分の一死んだ。あとは残りの三分の二をいかに死ぬかにかかっている。渋谷の街で暮らす、19歳の青年の肖像。深夜に青年は、渋谷の裏街をあてもなく漂流する。大学はとっくに中退した。夢も希望もなにもない。昼夜は逆転し、人とのコミュニケーションすら断ってしまう。日課といえば、ポラロイドカメラで自身のポルトレを撮ること。
死んでいるような毎日を、青年は生きていた。いつものように、夜な夜な街を徘徊していると、様々な大人たちが出入りする社交界に遭遇する。そこで、ある魅力的な女性に出会い、青年の気持ちは少しずつ変化していく…