ラスト・ワールド
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ジャカルタのインターナショナル・スクールで、鋭敏だがどこか謎めいた哲学の教師が、卒業間近の学生20人が在籍する哲学クラスで、卒業試験として思考実験の課題を与える。それは、「迫りくる核の大惨事に備え、地下シェルターに入るにふさわしい人間を、自分たちの中から論理的に選び出せ」という、生徒たちが今まで経験したことのないような難解なものだった。シェルターには10人しか入れない。選ばれなかった者は必然的に死に直面することになる。いつもの教室が突然、核の要塞に変り、核による滅亡の恐怖が現実のものになる。職種をベースに性格や宗教観、男女の性などが加味され、仮想終末世界での討議が進められる。人類再生を唯一の目標に、日常化していく殺人、偽り、セックス、そして裏切り。この斬新な授業を進める中で、次第に変化していく生徒達。そして、仮説と現実の境界線があやふやになり、彼らのとる決断は致命的なものになっていく。果たして、この教室にはどんな結末が待ち受けているのか。