泣きながら笑う日
(C)1976 松竹
トラックの運転手亀山次郎は浮かれていた。妻・栗子に待望の女児誕生である。その喜びもつかの間、二人は思わぬ悲しみの底へ突き落とされた。4歳になる長男、啓一の耳が聞こえないことが分かった。
難聴の啓一は走ってくるトラックに危うくひき殺されそうになり、急ブレーキをかけたトラックは喫茶店のウインドウに突っ込んだ。その保証金も大きい。啓一の難聴は1年ほど前、風をこじらせ抗生物質の注射を大量に打ったのが原因だった。若い二人の血みどろの苦闘がその日から始まった。