向う三軒両隣り

(白百合の巻) 本郷の大学近く、焼残った区域と焼跡が道路一つで区切られ、焼残った区域の道路に面して神田病院がある、女房が主人より三つ年上の家。その先の横町に亀造の家がある、亀造は車ひきで男やもめ、一男二女の四人家族。焼跡の中に喫茶店「白百合」があり、後家のまさに一男一女、伸一は絵書き、春恵は撮影所のワンサガールで伸一の好きな登美がこの店の店員である。白百合と少し離れて山田家のバラックがある。即ちここに向う三軒両隣りがある。 (坂東家の巻) 神田のところへ友人の小宮が大学の研究所に帰れと話をもって来る、博士婦人を夢見ている妻の秋子も賛成するが、医は人術の憲法で神田は反対である、更に夫人は愛情が足りないというので亀造を誘って亀造の長女加奈子が働いているキャバレーに現れ珍妙なダンス風景が展開される

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