はじまりのみち
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時は戦中。映画界に政府から戦意高揚の国策映画づくりが要求された時代。木下惠介が昭和19年に監督した『陸軍』は、その役割を果たしていないとして当局から睨まれ、次の映画の製作を中止にさせられてしまう。
夢を失った木下は松竹に辞表を提出、病気で倒れた母、たまが療養している浜松市の気賀に向かう。
失意の中、戦局はいよいよ悪化の一途をたどり、気賀も安心の場所ではなくなってしまった。ついに惠介は、山間の気田に疎開することを決める。
疎開先に落ち着いて数日後、たまは不自由な体で惠介に手紙を書く。そこにはたどたどしい字で「また、木下惠介の映画が観たい」と書かれていた―。