おしどりの間
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夫・会田と別れた後、経理事務所を営む皆川の世話を受け、その子まで宿した稲子。潔癖な娘の葦子はこうした母を嫌って家出の上、温泉旅館鶴の井へ女中に住込む。名も珠子と変えた彼女は女主人蔦子のお気に入り。しかし同輩のあや子は、あんたの美貌はアルサロ向き、という。ある日、娘を探し廻る稲子の訪れで葦子の正体がバレるが、母の許には戻らぬと泣伏すばかり。葦子は、蝶子という女の縁切り宣言で寂しげな四十男の貿易商越後と鴛鴦の間で知り合い、二人でドライヴする迄親しくなる。その夜、星のきらめく熱海の浜辺で二人は熱い接吻を交したが、そのまま、彼女に見送られ、越後は東京へ戻る。