教授とわたし、そして映画
<第一章 呪文を唱える日>
ジングは30代の映画監督、しかしアート系の作風が影響してか映画を撮れない。今は生活のために、大学の恩師ソン教授の口利きで映画学科で教えている。そんなある日、ソン教授がカネをもらって別の講師を昇進させたと噂があると先輩に吹き込まれる。ジングは飲み会で酔った勢いでソン教授に絡んでしまうのだった。
<第二章 キング・オブ・キス>
ジングが映画学科の学生だった頃、同じ学科のオッキに恋をした。オッキに付きまとうジング。最初は嫌がっていたオッキも、まんざらでもない様子。でも、オッキはソン教授と秘密の関係を持っていた。冬のある日、オッキの部屋の前で彼女を待って一晩過ごしたジングは、やっと部屋に入れてもらい、そのまま結ばれたのだった―。
<第三章 大雪の後に>
大雪の翌日、映画学科のソン教授が講義のため教室に入ると、生徒は誰もいない。やがて、女子生徒オッキと男子生徒ジングがやって来る。教授が何か質問はあるかと ふたりに聞くと、ふたりは思いがけない質問をぶつけてきた。恋愛とは何か? 愛とは何か? ソン教授は真剣にその普遍的な質問に答えるのだった。
<第四章 オッキの映画>
ふたりの男はオッキに翻弄されているだけなのか? 映画学科のオッキは若い男と年上男との、三角関係で得た経験をもとに、それぞれの男と年の瀬から正月にかけてアチャ山を訪れたデートを映画にして、自らの恋愛を検証し始める。