リヴィッド

(C)LA FABRIQUE 2 / SND / PLUG EFFECTS / LA FERME PRODUCTION
静かなハロウィンの日を迎えた小さな港町。母の自殺に心を痛めるリュシーは、新しい仕事を始めた。身寄りのない老人の身辺の世話をする訪問介護ヘルパーだ。指導役のミセス・ウィルソンと利用者の家を回るうち、車は田園地帯を抜けて大きな古屋敷に辿り着く。そこはかつて、厳格なバレエ教師として名を馳せた老婦人ジェセルの邸宅だった。ひとり娘のアナに先立たれた彼女は昏睡状態となり、今は寝室で死人のように眠ったまま。孤独と沈黙に支配され、薄闇のなかで主と共に朽ち果てるのを待つばかりの屋敷にリュシーは圧倒される。 漁師をしているBFのウィルと合流したリュシーは、酒場で疲れを癒しながらジェセル邸の伝説を語る。資産家だった彼女は館のどこかに秘密の財宝を隠した—。素行の悪いウィルは悪友のベンを誘い、リュシーに強盗計画を持ちかける。最初は渋っていたリュシーだが、もし大金があれば、どこか遠くできっと自由気ままな新生活を始められる—。夜も更けた頃、ジェセル邸へ忍び込んだ3人は、ひとつだけ固く閉ざされた開かずの間を発見。鍵を入手し部屋に押し入ると、そこには死んだはずのアナが純白のバレエ衣装に身を包み、美しい人形のように佇んでいた。闇夜に悲しげなメロディが響き、ゆっくりと踊るように回転を始めるアナ。禁断の扉は開かれた。異次元の魔界と化した屋敷のなかで、想像を絶する惨劇の宴が始まろうとしていた。

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