一本刀土俵入

(C)KADOKAWA 1960
利根川べりの茶屋・安孫子屋の表では、土地の顔役波一里儀十の身内船戸の弥八が暴れていた。興行先でお払い箱になり仕方なく江戸へ向う駒形茂兵衛はこの弥八にからまれてしまった。この様子を二階からみていた安孫子屋の酌婦お蔦は、上から弥八をけん制、茂兵衛に声援をおくった。それに力を得た茂兵衛は弥八の胸に頭突きを入れて倒すが自分も座りこんでしまった。お蔦は彼が腹を空かしていると聞くと巾着に櫛カンザシまで投げ出し心から彼を激励するのだった。茂兵衛はこの親切に涙を浮かべ“横綱になって今日の恩返しに土俵入りを見てもらいす”と誓って再会を約した。

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