母を求める子ら

(C)KADOKAWA 1956
山本あきは七年前に行方不明となった愛児武夫を探して旅を続ける中“親探し運動”の新聞欄を頼りに、丘の養育院を訪ねて長野駅に降りる。駅長室では同院の収容児利男が無賃乗車を叱られていた。事情を知ったあきは利男を伴い同院に向う。だが新聞掲載の写真は武夫でなく、悲嘆に沈むあきは藤沢院長に慰められて帰途に就く。しかし利男少年が彼女に向って「さよなら」といった一言はあきの心をひきつけ、彼女は保姆として留ることになる。藤沢院長以下、娘美佐子、若い保姆、千代おばさんの保姆、五平爺さんなど心清らかな人々の中に、あきは子供の汚れ物の洗濯に日々の生甲斐を感じていた。

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