嫉妬
(C)KADOKAWA 1962
日高月江の嬰児殺害、死体遺棄事件の担当検事安西と、汚職容疑で手配中の関口の妻朝子はかつて相愛の仲であった。朝子の妹友子は不幸な姉のよき協力者で、安西への求婚者である。ある日、安西は朝子から取引きに立会って欲しいと頼まれた。指定された通り、朝子から離れて見守っていると、一人の男が札束と交換に一冊の本を置いて風のように去った。そんな時、日高事件の被害者である笹川文子から盗難取消しの届出があった。関口が地検の動きをキャッチしようとして、朝子に安西へ働きかけるよう強要していることが判った。