愛慾の裁き
(C)1953 松竹
百貨店で香水を万引した少女佐伯ツルは、少年審判所から聖泉教会の厚生寮へ引き取られた。牧師槙伊之吉は先代牧師に認められてその女婿となった人物で、その政治的手腕で知られていた。妻まさよは長い病床にあり、一子正夫と転地生活をしていた。藤川もと子は槙の人格に惹きつけられその助手として厚生寮の仕事に献身、求婚者橋爪透との結婚も、父が薦めるほどに気のりしなかった。妻と離れて暮らす伊之吉は、いつしか若々しいもと子の姿に心をひかれていたが、まさよは女の敏感さでそれを悟り、夫に自分の死後もと子と結ばれることを暗示するのだった。