武士の家計簿
(C)2003 磯田道史/新潮社 (C)2010「武士の家計簿」製作委員会
江戸時代の後半。猪山家は代々御算用者として加賀藩に仕えてきた。八代目の直之は、天才的な数学感覚を持ち、頭角を現す。野心を持たない、実直な性格は、周囲から「そろばんバカ」と呼ばれるほどだった。ある日、直之に縁談話が持ち込まれた。相手はお駒という娘で、父親は同心、母親の実家は商家。算盤しか生きる術が無いという直之に、お駒は生きる術の中に加えてくださいと言い、二人はこうして家庭を築くのだった。御蔵米の勘定役に任命された直之は、米の数量が合わないため調べ、城の役人たちの不正に気づいた。そのことで、左遷される。だが、役人の悪事が暴かれ、直之は異例の昇進をするのだった。名誉な出世ながら、身分が高くなると出費もかさむ。加えて父親の代の膨大な借金があった。直之はお駒とともに家計建て直し計画を宣言。倹約生活はどうなるのだろうか。