NINE

イタリア、1964年。グイド･コンティーニは世界的に有名な映画監督。彼は、待望の新作映画の撮影に取り掛かろうとしていた。だが、脚本は一行として進まず、撮影を間近に控えた記者会見の日になっても、タイトル以外は何も決まらない。追い詰められたグイドにとって、美しく理解ある妻イルザは心の支え。しかし、彼の周囲には妻以外にも、愛人のカルラ、ミューズである女優のクローディア、衣装デザイナーのリリアン、ジャーナリストのステファニー、娼婦のサラギーナ、そして母親の存在が取り巻いていた。幼い頃娼婦のサラギーナに“イタリアの男について”教えられ、そして母親からは生涯ひとりの女性だけを愛するよう教えられた。グイドの幻想の世界で、それぞれの女たちが歌い、踊り、彼に囁く。愛すること･愛されることの難しさを突きつけられたグイドは、彼の映画と共に最大のピンチをむかえるのだたった。