沈まぬ太陽
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恩地元は、大企業である国民航空で労働組合委員長を務めていた。職場環境改善で会社側と闘った結果、懲罰人事として海外勤務を命じられた。パキスタン、イラン、ケニアなど僻地を転々とする。会社側は、本社勤務と引き換えに組合からの脱退と謝罪を迫るが、信念を貫きとうそうとするのだった。一方、かつて組合員として一緒に闘った行天四郎は、本社での重要ポストと引き換えに組合の弱体化に加担して、エリートコースを歩む。恩地は行天の裏切りに傷つき、また家族との離れ離れの生活に深い断絶を感じていた。そして、本社とケニア政府との航空交渉が打ち切られ、任地での役割すら失ってしまった。10年後、ようやく本社へ復帰。だが、彼を待ち受けていたものは、未曾有の大惨事だった。国民空港が航空史上最大の墜落事故を引き起こしたのだ。