山桜
(C)2007「山桜」製作委員会
江戸の後期。北の小国、海坂藩。野江という女性がいた。嫁いだが夫が病で亡くなってしまう。再婚した磯村家は、自分の育った家とは大きく違っていた。武士であるのに蓄財に執着する夫、出戻りの嫁と蔑む姑。だが、野江は嫁として懸命に耐え続けていた。叔母の墓参りの帰り道、見事な山桜に心奪われる野江。ここで手塚弥一郎と出会う。この武士こそ、野江が磯村家に嫁ぐ前に縁談を申し込んだ相手だった。野江は縁なく思い断ってしまったのだった。幸せかと問われ、戸惑いながら返事をする野江。半年後、手塚弥一郎が藩の重臣・諏訪平右衛門を斬った。諏訪は豪農と組んで、農民を虐げて私腹を肥やしていた。弥一郎は自分を犠牲にして刀を振るったのだった。帰宅した夫からその話を聞き、「切腹は必至」と笑う夫に野江は頭に血が昇った。夫の羽織を打ち捨てた。離縁され、野江は実家に帰る。弥一郎の裁断は、藩主が江戸から帰国してからとなった。藩主の帰国まであとひと月。穏やかな春の日。野江は、あの山桜の下に立つ。花を摘み、手塚の家を訪ねた。出迎えたのは、息子の帰りを待ち続ける弥一郎の母。彼女からの予想さえしなかった言葉が、野江を包み込むのだった。
- 公開日
- 2008年5月31日(土)
- 監督
- 篠原哲雄
- 撮影
- 喜久村徳章
- 出演
- 田中麗奈 東山紀之 篠田三郎 檀ふみ 富司純子 北条隆博 南沢奈央 高橋長英 永島暎子 千葉哲也 村井國夫 並樹史朗 石原和海 松澤仁晶 村尾青空 綱島郷太郎 伊藤幸純 森康子 桶浦勉 鬼界浩巳 江藤漢斉 藤沢玲花
- 製作年
- 2008
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 99
- INTRODUCTION
- 原作は、珠玉の短編として名高い、藤沢周平の時代小説の一遍「山桜」。主人公の野江には、初の時代劇出演になる田中麗奈。芯の強い、凛とした女性を見事に演じている。そして、正義感と誠実さに満ちた武士には、3年ぶりにスクリーンを飾る東山紀之。野江の父親を篠田三郎、母親役には檀ふみ、そして、村井国夫、富司純子など実力派が登場する。脚本は、飯田健三郎と長谷川康夫が担当。監督は、『はつ恋』で田中麗奈の魅力を引き出した篠原哲雄が務めている。本作で初の時代劇に挑んでいる。
- STORY
- 江戸の後期。北の小国、海坂藩。野江という女性がいた。嫁いだが夫が病で亡くなってしまう。再婚した磯村家は、自分の育った家とは大きく違っていた。武士であるのに蓄財に執着する夫、出戻りの嫁と蔑む姑。だが、野江は嫁として懸命に耐え続けていた。叔母の墓参りの帰り道、見事な山桜に心奪われる野江。ここで手塚弥一郎と出会う。この武士こそ、野江が磯村家に嫁ぐ前に縁談を申し込んだ相手だった。野江は縁なく思い断ってしまったのだった。幸せかと問われ、戸惑いながら返事をする野江。半年後、手塚弥一郎が藩の重臣・諏訪平右衛門を斬った。諏訪は豪農と組んで、農民を虐げて私腹を肥やしていた。弥一郎は自分を犠牲にして刀を振るったのだった。帰宅した夫からその話を聞き、「切腹は必至」と笑う夫に野江は頭に血が昇った。夫の羽織を打ち捨てた。離縁され、野江は実家に帰る。弥一郎の裁断は、藩主が江戸から帰国してからとなった。藩主の帰国まであとひと月。穏やかな春の日。野江は、あの山桜の下に立つ。花を摘み、手塚の家を訪ねた。出迎えたのは、息子の帰りを待ち続ける弥一郎の母。彼女からの予想さえしなかった言葉が、野江を包み込むのだった。
- CASTING
- ●田中麗奈 1980年5月20日生まれ。98年「がんばっていきまっしょい」で映画デビューし、日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。主な出演作は、「はつ恋」(00)、「東京マリーゴールド」(01)、「姑獲鳥の夏」(05)、「暗いところで待ち合わせ」(06)、「ゲゲゲの鬼太郎」(07)など。 ●東山紀之 1966年9月30日生まれ。82年、少年隊としてデビュー。主な出演作は、ドラマ/「ザ・シェフ」「琉球の風」「元禄繚乱」、映画/「本気~マジ~」(91)、「MAKORTO 」(05)など。 ●篠田三郎 1948年12月5日生まれ。66年「雁」で映画デビュー。主な出演作は、ドラマ/「ウルトラマンタロウ」「京、ふたり」「信長」「秀吉」、映画/「忘れられぬ人々」(01)、「森の学校」(02)、「13通目の手紙」(03)など。 ●檀 ふみ 94年「わが愛の譜・滝廉太郎物語」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞受賞。主な出演作は、ドラマ/「花の乱」「蔵」「功名が辻」、映画/「青春の蹉跌」(74)、「かまち」(03)など。 ●富司純子 1945年12月1日生まれ。07年紫授褒章受章。藤純子として「緋牡丹博徒」「日本女侠伝」シリーズで人気。89年、富司純子と改名。主な出演作は、「あ・うん」(89)、「おもちゃ」(99)、「フラガール」(06)、「明日への遺言」(08)など。 ●村井国夫 1994年9月20日生まれ。66年「ワタリ」で映画デビュー。主な出演作は、テレビ/「浅見光彦」シリーズ、「魂萌え!」、映画/「日本沈没」(73)、「二百三高地」(80)、「日本一短い母への手紙」(95)など。
- 配給会社
- 東京テアトル