帰って来た若旦那
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江戸時代からの暖簾を誇る西銀座の菓子屋南蛮堂も今では家運振わず、当主平太郎は目下アメリカに商業美術の研究で留学中の息子修一に、唯一の希望をつないでいる。その南蛮堂を掌中に収めようとたくらむ新興菓子屋桜ベーカリーの女主人桜子に、南蛮堂の借金証文を餌にしてとりいった金融ブローカー望月は、桜子の娘杏子が目当てなのだが、杏子は修一と相愛の仲だった。平太郎が修一に「スグカエレ」と打電したのは、借用証文をタテに店を乗取られそうになったからである。