子猫の涙
(C)2007「子猫の涙」製作委員会
森岡栄治は、1968年のメキシコオリンピックで銅メダルを受賞した。その後、プロに転向したが、網膜はく離で引退。大阪万博年に生まれた治子は、対戦相手に攻められる父親の最後の試合を覚えている。治子の家は、母親の和江、弟の和則の4人暮らし。引退後、父は仕事にもつかず、治子の担任教師まで口説こうとするプー太郎。治子から見ればアホでスケベなエロ親父なのだ。母親はスナックで働き、家計を支えている。そんな一家で治子の心の拠り所は、バレエのレッスン。そのうち、父は用心棒をした縁で、ヤクザの親分が紹介してくれた、ボクシングジムの会長を務めることになった。ところが、父の兄がお金をせびりに来たり、母が勤めるスナックの客を父が殴ったり。そんな日々に嫌気をさして、母は家を出て行った。父の愛人になったホステスの裕子さんが家にやってきて、治子たちにとって居心地の悪い暮らしが始まるのだった。そんな時、借金まみれになっていた父の兄から株券を預かった父が、偽造有価証券発行、詐欺未遂で逮捕されてしまう。だが、証拠不十分で釈放されるのだった。父の留守中、治子は裕子さんと本気で向き合った。そして、父との関係に微妙な変化が訪れた。父は和則と共にジムで若手ボクサーを育てる。そして、日本チャンピオンも輩出した。治子は念願かなってバレエ教室の先生となった。そんなある日、父が癌を患っているという知らせが入るのだった。