サッドヴァケイション
(C)間宮運送組合 2007
「Helpless(デビュー作)」に始まった青山監督の“北九州サーガ”集大成は、母性がテーマ。
幼い頃に、母に捨てられたことを恨みに思って生きてきた健次が、半端な仕事でその身を追われていた矢先、思いもかけず母・千代子と再会。復讐の機を窺い、一つ屋根の下で家族として暮らし始めるが。健次を取り巻く女たちはどこか泰然としていて、全てを包み込むような安らぎを感じさせる。
- 公開日
- 2007年9月8日(土)
- 監督
- 青山真治
- 脚本
- 青山真治
- 撮影
- たむらまさき
- 音楽
- 長嶌寛幸
- 製作年
- 2007
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 136
- INTRODUCTION
- 幼い頃に母に捨てられた健次は、その母と運命的な再会を果たす。復讐を秘めてきた健次の心は、母親という大きな存在に翻弄されていく。監督は、『EUREKA ユリイカ』で第53回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞と、エキュメニック賞をダブル受賞た青山真治。氏の原作小説「EUREKA」は三島由紀夫賞を受賞している。主人公の健次を演じるのは、「孔雀」「地球で最後のふたり」など海外作品のも積極的に出演し、世界的な評価と知名度が高まる浅野忠信。母・千代子役には、「遠雷」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、数々のヒット作に出演の石田えり。梢を演じているのは、『EUREKA ユリイカ』『NANA』の宮崎あおい。後藤役には、『ゆれる』で映画賞を総なめにしたオダギリ ジョー。本作では陰のある男を見事に演じている。冴子役には『運命じゃない人』などで活躍がめざましい板谷由夏。勇介役には『地下鉄(メトロ)に乗って』の高良健吾が扮している。ほか、中村嘉葎雄、光石研、斉藤陽一郎などベテランが好演している。
- STORY
- 中国からの密航者の手引きをしていた健次は、船内で父親を亡くしてしまった少年アチュンを連れて家へと逃げ帰る。健次は、5才の時に母親に捨てられ、精神を病んだ父親は自殺してしまった。そんな彼は、ある事件をきっかけに、幼なじみでヤクザだった安男の妹・ユリと共に暮らしていた。知的障害者であるユリと、幼いアチュンとの新しい暮らしに安らぎを覚えていた。間宮運送の社長・間宮は、バスジャック事件の被害者の梢、借金取りに怯える後藤、ヤクザに追われる者などに住処と職を与えていた。行き場のない彼らを、間宮は放っておくことができないのだ。中国人の追っ手から逃れるために運転代行へと職を変えた健次。ある日、酒に酔った間宮と出会い、彼を間宮運送まで送って行った。そこに居た間宮の妻・千代子の姿を見て驚く健次。千代子は、かつて健次を捨てた母だったのだ。母と暮らし始めた健次。ずっと胸に秘めてきた健次の復讐心は、千代子という母親の存在に惑わされ、翻弄されていく。
- CASTING
- ●浅野忠信 1973年生まれ。神奈川県出身。第60回ヴェネチア国際映画祭コントロ・コンレテ部門主演男優賞受賞。主な出演作は、「Helpless」(96)、「風花」(01)、「アカルイミライ」「座頭市」(03)、「地球で最後のふたり」「珈琲時光」(04)、「インビジブル・ウェーブ」(07)など。 ●石田えり 1960年生まれ。熊本県出身。80年「遠雷」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞。主な出演作は「華の乱」(88)、「嵐が丘」(89)、「釣りバカ日誌2」(91)、「美しい夏キリシマ」(04)など。 ●中村嘉葎雄 1938年生まれ。東京都出身。66年「湖の琴」でブルーリボン賞助演男優賞受賞。主な出演作は、「ホワイトアウト」(00)、「魔界転生」(03)、「花よりもなほ」(06)など。 ●板谷由夏 福岡県出身。05年「運命じゃない人」で毎日映画コンクール女優助演賞受賞。主な出演作は、「光の雨」(01)、「星のレストラン」(02)、「欲望」(05)など。 ●宮崎あおい 1985年生まれ。東京都出身。主な出演作は、「EUREKAユリイカ」(00)、「害虫」(02)、「青い車」(04)、「NANA」(05)、「初恋」(06)、「初雪の恋ヴァージン・スノー」(07)など。 ●オダギリジョー 1976年生まれ。岡山県出身。04年「血と骨」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞。主な出演作、「アカルイミライ」(03)、「パッチギ!」「メゾン・ド・ヒミコ」(05)、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07)など。
- 配給会社
- スタイルジャム