サイボーグでも大丈夫

「新世界精神クリニック」に新しい患者が入ってきた。少女ヨングンで、自分のことをサイボーグだと信じている。彼女は、かわいがってくれた祖母が療養所に送られて以来、頭がおかしくなってしまったのだ。「人のもの」なら特徴でもなんでも盗むことができるイルスンが、ヨングンに目を留めた。しばらくヨングンの行動を観察すると、彼女のパワーダウンの原因がわかった。サイボーグはご飯を食べると機械が壊れると信じ込んで、電池を舐めているだけだったのだ。一方、イルスンはいつか自分がこの世から消滅してしまうことが恐くて、盗みを続けていた。そんな彼は、誰よりもヨングンの気持ちがわかった。ヨングンが自由に移動できるよう“睡眠飛行法”を盗み。落ち込んでいるヨングンを歌で励ますためにヨーデルの歌唱力を盗む。イルスンとのキスで“充電”したおかげで、ヨングンの顔に微笑みが浮かぶ。そして、サイボーグでもご飯を食べられる装置をヨングンの背中にとりつけた。しだいにヨングンは、イルスンに惹かれていくのだった。