サン・ジャックへの道
兄のピエールは、ストレスのため薬物依存している。クララは頑固なオバサン教師。アルコール漬けの弟クロード。彼ら険悪な仲の兄姉弟たちが、亡き母親の遺産を相続するため、フランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmにも及ぶ巡礼路を一緒に歩くことになった。ツアーの同行者は、ガイドのギイ、楽しい山歩きと勘違いして参加したハイティーンの女の子たち、エルザとカミーユ、アラブ系移民の少年サイッド、サイッドにだまされて参加したラムジィ、物静かな女性マチルド。9人の男女がフランスのル・ピュイから出発した。それぞれが持つ人生の苦難をぶちまけながら進んでいくのだ。数百キロも共に歩くうち、自分本位のワガママだった面々が、いつしか互いをひとつの家族のように感じるようになっていた。1500kmもの徒歩の旅のゴールには、一体何が待っているのだろうか?