ハリヨの夏

(C)2006「ハリヨの夏」製作委員会
京都。1990年の夏。高校3年生の瑞穂は、母と妹と暮らしている。父親は別居中だ。その父親とは時々鴨川べりで落ち合ってお喋りする。父親には恋人がいて、しかも妊娠中だという。瑞穂には、学校帰りに鴨川で遊んだり、夜のプールで泳ぎを教えてもらうクラスメイトの翔がいた。瑞穂は翔の気持ちがよくわからない。夜、プールサイドでキスを迫っても何もしない彼。いつしか2人の間に距離ができてしまった。母親の働く居酒屋でアメリカ人チャーリーと出会った瑞穂。彼はベトナム戦争で片脚を負傷し、離婚して娘がひとりいる。自分と同じ孤独感を持つチャーリーに対して、瑞穂は急速に親しくなった。夏休みの旅行中、二人は結ばれるのだった。そして、瑞穂は妊娠した。チャーリーも母も堕ろすことしか頭にない。結局、母がチャーリーに啖呵を切って、瑞穂と母とで赤ちゃんを育てることになった。瑞穂は母親に対して反発ばかりしてきたけれど、この時初めて、母のありがたさが身に沁みたのだ。ある日、瑞穂は鴨川べりを散歩中、ひさしぶりに翔とばったり出くわした。大学生になった翔は、まぶしくもあり、幼くも見える。話が続かなくなった二人は、背中を向けて別々の方向へ、進む。瑞穂は、赤ちゃんと一緒に、どこまでも胸を張って歩きつづける。
公開日
2006年10月14日(土)
監督
中村真夕
脚本
中村真夕
撮影
山崎裕
音楽
PE'Z
出演
於保佐代子 高良健吾 風吹ジュン 柄本明 谷川俊太郎 前田昌代 松本花奈
製作年
2006
製作国
日本
上映時間
82
INTRODUCTION
瑞穂は、母と妹の3人で暮らしている。彼女は高校3年生。父とは別居中である。水槽には、父がくれたハリヨという魚がいる。その魚は澄んだ水にしか棲息しない。家を出た父が戻ってくれることを願っている彼女。この夏休みは、瑞穂の人生にとって思いもよらない展開が待っていた。監督は、新鋭・中村真夕。本作が長編デビューとなる中村監督は、京都で生まれ育ち、高校時代からイギリスに留学し、ニューヨーク大学大学院映画科を卒業している。本作では、揺れ動く思春期の心をみずみずしく描き出しすことに成功している。瑞穂を演じるのは、これが初主演作になる於保佐代子。痛々しいほどまっすぐに生きる瑞穂を生き生きと演じている。瑞穂を遠くから見つめる、同級生の翔を演じるのは、これが映画初出演の新人・高良健吾。このフレッシュな2人を、ベテラン風吹ジュンと柄本明がしっかり支えている。その他、三木先生役に詩人の谷川俊太郎、チャーリー役には劇団「SCOT」で活躍中で「だるまさんがころんだ」(04)のキャメロン・スティールが熱演している。音楽は、17回日本ゴールドディスク大賞“ニューアーティスト・オブ・ザ・イヤー”を受賞したPE'Zが担当している。
STORY
京都。1990年の夏。高校3年生の瑞穂は、母と妹と暮らしている。父親は別居中だ。その父親とは時々鴨川べりで落ち合ってお喋りする。父親には恋人がいて、しかも妊娠中だという。瑞穂には、学校帰りに鴨川で遊んだり、夜のプールで泳ぎを教えてもらうクラスメイトの翔がいた。瑞穂は翔の気持ちがよくわからない。夜、プールサイドでキスを迫っても何もしない彼。いつしか2人の間に距離ができてしまった。母親の働く居酒屋でアメリカ人チャーリーと出会った瑞穂。彼はベトナム戦争で片脚を負傷し、離婚して娘がひとりいる。自分と同じ孤独感を持つチャーリーに対して、瑞穂は急速に親しくなった。夏休みの旅行中、二人は結ばれるのだった。そして、瑞穂は妊娠した。チャーリーも母も堕ろすことしか頭にない。結局、母がチャーリーに啖呵を切って、瑞穂と母とで赤ちゃんを育てることになった。瑞穂は母親に対して反発ばかりしてきたけれど、この時初めて、母のありがたさが身に沁みたのだ。ある日、瑞穂は鴨川べりを散歩中、ひさしぶりに翔とばったり出くわした。大学生になった翔は、まぶしくもあり、幼くも見える。話が続かなくなった二人は、背中を向けて別々の方向へ、進む。瑞穂は、赤ちゃんと一緒に、どこまでも胸を張って歩きつづける。
CASTING
●於保 佐代子 1987年12月18日生まれ。『いぬ のえいが』(05)、『星になった少年』(05)、『俺は、君のためにこそ死ににいく』(07)出演。 ●高良健吾 1987年11月12日生まれ。熊本県出身。ドラマ「ごくせん」でデビュー。「ウォーターボーイズ2005夏」にも出演。映画は本作がデビュー作となる。 ●風吹 ジュン 1952年5月12日生まれ。富山県出身。『蘇る金狼』(79)での演技が高く評価される。『無能の人』(91)で日本アカデミー賞助演女優賞受賞。『コキーユ 貝殻』(99)で報知映画賞主演女優賞受賞。 ●柄本 明 1948年11月3日生まれ。東京都出身。76年「劇団東京乾電池」を結成。『カンゾー先生』(98)では主演男優賞を総なめした。06年の出演作は『嫌われ松子の一生』、『やわらかい生活』、『日本沈没』など。 ●谷川俊太郎 1931年12月15日生まれ。東京都出身。52年、21歳の時に処女詩集「二十億光年の孤独」を刊行。以後、現代詩の牽引者として活躍。83年に「日々の地図」で読売文学賞受賞。88年に「はだか」で野間児童文芸賞を受賞。また、「マザーグースのうた」で日本翻訳文化賞を受賞している。 ●キャメロン・スティール ミネソタ州出身。ノースウェスタン大学演劇科に在学中、早稲田大学国際部に留学。鈴木忠志が率いる劇団「SCOT」に在籍。舞台「イヴァーノフ」(92)、「天皇と接吻」(99)、「だるまさんがころんだ」(04)に出演。
映倫
99

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