あるいは裏切りという名の犬
パリ警視庁にレオ・ヴリンクス警視と、ドニ・クラン警視がいた。かつて親友だった二人は、同じ女性カミーユを愛した。彼女はレオと結婚。以来二人は宿敵となった。その頃、パリでは現金輸送車強奪事件が多発。長官は指揮官にレオを任命したが、指揮を執りたいドニは長官に直訴し、レオの下という条件で計画へ参加する。かつての情報屋シリアンの情報を元に犯人を洗い、綿密な計画を立てるレオ。レオの指揮下、アジトを取り囲み、慎重に現行犯逮捕の機会を伺う警察。しかし突然、手に銃を持ったドニが単独でアジトへと向かう。銃撃戦となり、定年間近だったレオの相棒・エディ刑事が頭を打たれ即死。一味のオルンにも逃げられるのだった。レオは悲しみを胸にオルンを追い詰め、遂に逮捕する。明暗の分かれた二人。ところが、ドニは汚い手を使って、レオを殺人事件の共犯容疑で逮捕する。ドニは強奪事件の失態が無罪となり、再び逆転する二人の立場。突然夫が逮捕され、悲しみを抑えられないレオの妻カミーユのところへ、シリアンから連絡が入る。それを盗聴していたドニは、二人を捕らえようと待ち構えるのだった。二人を追い詰めるドニだが、車は激しく横転。牢獄で妻・カミーユの訃報を聞いたレオは泣き叫ぶ。7年後、出所したレオは、カミーユの死の真相を独り探り始める。全てを失ったレオと、パリ警視庁長官に就任したドニ。そして今宵 “警察主催” の夜会が執り行われることを知ったレオは会場へと向かう。ついに宿命の二人が再び出会う。そこで、妻の死の真相を知ったレオはある行動に出るのだった。
- 公開日
- 2006年12月16日(土)
- 監督
- オリヴィエ・マルシャル
- 撮影
- ドゥニ・ルーダン
- 製作年
- 2004
- 製作国
- 仏
- 原題
- 36 QUAI DES ORFEVRES
- 上映時間
- 111
- INTRODUCTION
- かつて親友だった二人の警視。同じ女を愛したがゆえに宿敵となった。ライバル同士の彼らの人生は、熾烈を極める逆転また逆転の連続となったのだ。本作は、実際に警察官として働いた経歴を持つオリヴィエ・マルシャル監督が、その当時の事件や実在の人物に基づき映画化したものである。公開と同時に話題となり、大ヒットを記録した。第30回セザール賞では8部門にノミネートされる快挙となったのである。大きな見どころは、フランス映画界きっての二大スターの競演。主人公レオ・ヴリンクスを演じるのは、ダニエル・オートゥイユ。『愛と宿命の泉』(86)『橋の上の娘』(99)で2度のセザール賞主演男優賞、『八日目』(96)でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞、『隠された記憶』(05)でヨーロッパ映画賞主演男優賞に輝いている。レオの敵ドニ・クランを演じるのは、『終電車』(80)でセザール賞主演男優賞、『シラノ・ド・ベルジュラック』(90)ではカンヌ国際映画祭最優秀男優賞とセザール賞主演男優賞をW受賞したジェラール・ドパルデュー。その他、アンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ、ロシュディ・ゼム、ミレーヌ・ドモンジョなど、錚々たる演技陣が顔を揃えている。監督は長篇二作目となるオリヴィエ・マルシャルが務めている。
- STORY
- パリ警視庁にレオ・ヴリンクス警視と、ドニ・クラン警視がいた。かつて親友だった二人は、同じ女性カミーユを愛した。彼女はレオと結婚。以来二人は宿敵となった。その頃、パリでは現金輸送車強奪事件が多発。長官は指揮官にレオを任命したが、指揮を執りたいドニは長官に直訴し、レオの下という条件で計画へ参加する。かつての情報屋シリアンの情報を元に犯人を洗い、綿密な計画を立てるレオ。レオの指揮下、アジトを取り囲み、慎重に現行犯逮捕の機会を伺う警察。しかし突然、手に銃を持ったドニが単独でアジトへと向かう。銃撃戦となり、定年間近だったレオの相棒・エディ刑事が頭を打たれ即死。一味のオルンにも逃げられるのだった。レオは悲しみを胸にオルンを追い詰め、遂に逮捕する。明暗の分かれた二人。ところが、ドニは汚い手を使って、レオを殺人事件の共犯容疑で逮捕する。ドニは強奪事件の失態が無罪となり、再び逆転する二人の立場。突然夫が逮捕され、悲しみを抑えられないレオの妻カミーユのところへ、シリアンから連絡が入る。それを盗聴していたドニは、二人を捕らえようと待ち構えるのだった。二人を追い詰めるドニだが、車は激しく横転。牢獄で妻・カミーユの訃報を聞いたレオは泣き叫ぶ。7年後、出所したレオは、カミーユの死の真相を独り探り始める。全てを失ったレオと、パリ警視庁長官に就任したドニ。そして今宵 “警察主催” の夜会が執り行われることを知ったレオは会場へと向かう。ついに宿命の二人が再び出会う。そこで、妻の死の真相を知ったレオはある行動に出るのだった。
- CASTING
- ●ダニエル・オートゥイユ(レオ・ヴリンクス) 1950年1月24日生まれ。アルジェリア出身。86年『愛と宿命の泉』、99年『橋の上の娘』で2度セザール賞主演男優賞を受賞。96年『八日目』でカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞。05年『隠された記憶』でヨーロッパ映画賞の最優秀男優賞を受賞。主な出演作は、『愛を弾く女』(92)、『王妃マルゴ』(94)、『フランスの女』(95)、『ロスト・サン』(99)など。 ●ジェラール・ドパルデュー(ドニ・クラン) 1948年12月27日生まれ。フランス出身。80年『終電車』でセザール賞主演男優賞を受賞。88年『シラノ・ド・ベルジュラック』でカンヌ映画祭最優秀男優賞とセザール賞主演男優賞をW受賞。主な出演作は、『隣の女』(81)、『アメリカの伯父さん』(81)、『美しすぎて』(89)など。 ●ヴァレリア・ゴリノ(カミーユ・ヴリンクス) 1966年10月22日生まれ。イタリア出身。86年「Storia d'amore」でヴェネツィア映画祭最優秀女優賞を獲得。 主な出演作は、『レインマン』、『三人姉妹』(88)、『ホット・ショット』(91)、『不滅の恋/ベートーヴェン』(94)、『リービング・ラスベガス』(95)、『彼女を見ればわかること』(99)、『フリーダ』(02)など。 ●アンドレ・デュソリエ(ロベール・マンシーニ) 1946年2月17日生まれ。主な出演作は、『聖杯伝説』(79)、『美しき結婚』(81)、『地に堕ちた愛』(84)、『赤ちゃんに乾杯!』(85)、『愛を弾く女』(93)、『恋するシャンソン』(97)、『ヴィドック』(01)、『スパイ・バウンド』(04)、『ロング・エンゲージメント』 (04)など。
- 配給会社
- アスミック・エース