嘘つきヤコブ

第二次大戦下の1943年。戦前はレストランの主人として優雅な暮らしを送っていたヤコブがゲットーの見張り所の近くで、ソ連軍の進撃を伝えるラジオのニュースを耳にする。それはゲットーの中の人々にとっては唯一希望を託せるものだった。ヤコブはそのニュースをみんなに伝える時、見張り所のラジオを聞いたとは言わず禁制のラジオを自分が持っていると嘘をついてしまう。この日から人々はヤコブから日々のニュースを聞きたがり、ヤコブとしてもいまさら嘘とは言えず作り話をして解放の日が近いことを知らせ、みんなを有頂天にさせた。こうしてヤコブの嘘はどんどん広がっていく。ある時、ヤコブは一人の少女にラジオの口調を真似てひとつの童話を話した。空に浮かぶ雲が欲しいと王女が言い、困り果てた周囲の人が考えあぐねた末、雲の形をした綿を持ってくる。これで王女は満足したというものだが、この嘘の雲こそヤコブ自身の嘘にほかならなかった。結局ソ連軍は進行して来ず、やがて全員が強制収容所送りとなってしまう。
公開日
1983年10月15日(土)
監督
フランク・バイヤー
脚本
ユーレク・ベッカー
撮影
ギュンター・ホッフマン
音楽
ヨアヒム・ヴェッツラウ
出演
ヴラスティミール・ブロドスキー
製作年
1975
製作国
東独=チェコスロヴァキア
原題
JOKOB DER LUGNER/JAKOB THE LIAR
上映時間
100

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