アイス･エイジ2

氷河期という冷たい世界に、暖かい冒険とヒューマンな感動を展開して大ヒットとなった前作から4年。おなじみのメンバーが、また新しい冒険とともに帰ってきた。マンモス、サーベルタイガー、ナマケモノのトリオは、温暖化で氷が溶け出し洪水の恐れがある住み慣れた谷から脱出しようとしていた。さて彼らの旅の行く手に待ち受けているものは？制作費、製作関係者数とも前作を大幅に上回り、グンとスケールアップした映像は、氷に覆われた世界から、それが溶けて緑の大地が現れるまでの変化を美しく捉えて、飽きることの無い視覚的ショックを与えてくれる。そして、それぞれに悩みを抱えながら旅を続けるトリオの、掛け合いが絶妙。このキャラクター設定の秀逸さこそ、この作品の成功のポイントだろう。ただ重要なポジションにあるのがマンモスということで、そのゆったりとした動きは最近のアニメ作品の主流ともなっているスピード感で見せるという点では弱くなっている。そこで登場してくるのがスクラットという脇役。ストーリーとは関係ないように見せて、ここというポイントで出てきて笑いをさらっていく。まるでショーの舞台の幕間の寸劇を思わせる軽妙洒脱な存在はとても魅力的だ。彼の登場シーンを所々に挟み込んで、全体を引き締める構成は見事というほか無い。 世代を問わず楽しめる好篇である。