やわらかい生活
(C)2005「やわらかい生活」製作委員会
一流大学を卒業し、一流企業の総合職でキャリアを磨いた橘優子は、両親と親友の死をきっかけにうつ病になってしまう。しかし、趣味のいい痴漢に出会うったことで生活が一変し、楽しい日々を送っていた。ある日、福岡から従兄の祥一や、元同級生でEDの都議や鬱病のヤクザらが集まってきた。
- 公開日
- 2006年6月10日(土)
- 監督
- 廣木隆一
- 撮影
- 鈴木一博
- 音楽
- nido
- 製作年
- 2005
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 126
- INTRODUCTION
- 都会で暮らす、孤独でありながら自然体で生きる魅力的な女性。優子の姿に新しいリアルな女性像、新しい生き方を見つけたとして多くの女性の共感を呼んだ。原作は、新芥川賞作家・絲山秋子のデビュー作「イッツ・オンリー・トーク」。現代の女性像を描く今最も注目の作家である。本作のヒロインには、『ヴァイブレータ』『大停電の夜に』の演技派女優寺島しのぶ。相手役には、豊川悦司。『日本沈没』『大停電の夜に』などでのクールで男前の役から一転して、大人の包容力を見せる優しい男を演じている。また、『春の雪』の妻夫木聡、廣木作品の常連である田口トモロヲ、『800 TWO LAP RUNNERS』の松岡俊介、『ヴァイブレータ』の大森南朋など、個性豊かなキャストが揃った。音楽は、Dragon Ashで活躍する古谷建志と、俳優の武田真治、上杉俊祐、吉川寛の4人によって結成されたバンド形式のプロジェクトnidoが担当している。本作の舞台は、温かい雰囲気が漂う蒲田、池上本門寺、六郷土手。時代遅れのデパート屋上の観覧車や商店街の居酒屋、銭湯など心を癒してくれる風景が広がる。
- STORY
- 優子は一流大学を卒業して、大手企業に就職し総合職に就く。まさにキャリア街道を突き進んできた。ところが、両親と親友の突然の死をきっかけに、うつ状態になってしまった。ある日、従妹の祥一が訪ねてきた。幼い頃よく遊んだが、今は少し微妙な関係だ。彼は、競馬ですって車を駐車場から出せないから泊めてくれという、そんな脳天気ぶりに呆れる優子。だが、優子の躁状態と鬱状態との落差の激しさに戸惑っているのは祥一だった。優子の代わりに薬をもらいに行ったり、シャンプーをしてあげたり世話を焼く。蒲田に越してきた優子は「Love KAMATA」というサイトを立ち上げる。気になった風景をデジカメで撮り、簡単なコメントを添えたもの。ある日、鬱病のヤクザ安田から「タイヤ公園に案内して欲しい」とメールが届く。優子は案内しに行く。そこには、まだ幼さの残る青年がいた。居酒屋でお互いになんの遠慮もなく、クスリ談義をしながら、今までにない気楽さを優子は感じていた。優子が蒲田駅前を歩いていると、、突然拡声器で「橘優子さん!」と呼ばれ、振り返ると都議会議員に立候補している大学時代の友人の本間がいた。屋台で学学生時代の話をしながら飲んだ帰り、優子は本間を部屋に誘った。本間はEDであることを告白して謝るが、優子は私たち友達でしょと笑って答える。夏から秋へ。ゆるやかに結びついていた彼らとの関係の変化していく。優子にとっては、新しい時間が始まろうとしているのだった。
- CASTING
- ●寺島しのぶ 1972年生まれ。京都市出身。89年NHK「詩城の旅人」でデビュー。93年「恋と仮面とカーニバル」で初舞台。「近松心中物語」などで、芸術祭賞新人賞、松尾芸能賞演劇新人賞受賞。03年「赤目四十八瀧心中未遂」「ヴァイブレーター」で東京国際映画祭最優秀女優賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など多数受賞。主な出演作は「東京タワー」(04)、「大停電の夜に」(05)、「単騎千里を走る」(06)など。 ●豊川悦司 1962年生まれ。大阪府出身。91年「12人の優しい日本人」で映画デビュー。93年「きらきらひかる」で日本アカデミー賞新人賞受賞。02年「命」で日本アカデミー賞主演男優賞受賞。主な出演作は、「LOVE LETTER」(95)、「八つ墓村」(96)」、疾走」(05)、「大停電の夜に」(05)など。 ●松岡俊介 1972年生まれ。東京都出身。94年「800 TWO LAP RUNNERS」で映画デビューし、ヨコハマ映画祭新人賞受賞。主な出演作は「突入せよ浅間山荘事件」(02)、「雨鱒の川」(04)、「愛してよ」(05)など。 ●妻夫木聡 1980年生まれ。福岡県出身。98年TV「すばらしい日々」でデビュー。01年「ウォーターボーイズ」で日本アカデミー賞主演男優賞・新人俳優賞受賞。主な出演作は「ドラゴンヘッド」(03)、「さよなら、クロ」(03)、「ジョゼと虎と魚たち」(04)、「ローレライ」(05)、「春の雪」(05)など。
- 配給会社
- 松竹