アメリカ、家族のいる風景

古き良きアメリカの原風景が広がるユタ州モアブ。ハワード･スペンス。は西部劇の華麗な衣装を身にまとい、馬に乗って走っている。彼は、すっかり落ちぶれてしまった俳優で、撮影中の現場から逃げだしてきたのだ。撮影用の馬と衣装を牧場の老人に渡して、30年近く一度も帰っていなかった母親の住むネバダ州エルコヘと向かうのだった。 撮影現場は混乱。映画が完成しなければ大損害となってしまう。保険会社はハワードを見つけるために、私立探偵のサターを雇うのだった。突然帰ってきたハワードを母親は暖かく迎え入れた。ハワードは母の部屋で、自分に関する記事のスクラップ帳をみつける。女と酒と薬に溺れて起した様々な事件が書き立てられたゴシップ記事の数々。ハワードの30年間はこれだけ見れば全てわかってしまうのだった。ハワードに、家族はどうしているかと母は尋ねた。 それは、20数年前、ハワードが西部劇の撮影をモンタナで終えた後、彼を探しているという若い女性から電話があった。ハワードの子供を妊娠していると告げたのだという。自分に子供がいるかもしれないという事実に驚いたハワードは、早速モンタナ州ビュートヘと向かうのだった。