愛してよ
シングルマザーの美由紀は、10歳の息子ケイジをキッズ・モデルとして成功させようと、幾つもの習い事、オーディション、そして自分の仕事と、毎日をあわただしくも元気一杯に過ごしている。今度のオーディションに合格すれば、人生を変える大当たりだと美由紀は言う。オーディション会場で、ケイジが黒い服を着ようとすると、高原タカシに乱暴に横取りされた。ケイジがトイレから戻ると、たった1枚残っていた白い服には黒々と足跡がつけられていた。ケイジはわざともっと踏みつけて、オーディションに向かう。他の大人たちは怒ったけど、デザイナーの江田島さんは面白がってくれた。商店街で漫画とコロッケとパンをくすねて、秘密基地に行き、使われなくなった駅のホームに腰掛けて、コロッケ・パンを食べながら漫画を読んでいると、オーディションで知り合ったアキラが現れる。同盟を組んで、2人でビッグになろうと言う。1次審査を通過。美由紀は青山さんという男の人とつきあっているようだ。ケイジ、アキラ、高原タカシが最終審査に残った。お母さんが再婚することになったアキラは、東京に越すことになった。その話を聞いている時、ケイジ父親がやってきた。「愛してる。ずーっと愛してる」と言って、封筒を手渡す。そして父親はビルから飛び下り自殺してしまう。青山さんが待っている東京に行く日。空港に向かうタクシーをケイジは途中で降りて、最終オーディション会場に行く。また高原タカシにボコボコにされて、屋上でのびてしまう。いつの間にかケイジは、屋上の縁に立っている。死んだ13歳の女の子エリカが、こっちへおいでよと誘っている。