スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと

ロサンゼルスに住むシングルマザー、フロールは愛する娘クリスティーナのために、国境を越え移り住んできた。そして、クラスキー家のハウスキーパーとして働くことにしたのである。クラスキー家は、前途有望なレストランのオーナー・シェフであり、優しき父親であるジョンと、専業ママのデボラ、バー二一とジョージーの子どもたち。そして、昔ジャズシンガーだったデボラの母エヴェリンの5人家族。一見、明るく楽しそうだが、実はうまくいっていない。子どもたちを厳しくしつけようとするデボラ、昼間から酒を飲んでいるエヴェリンなど、噛み合わない。マリブの別荘で過ごすことになったクラスキー家。デボラの強引な誘いに、フロールはクリスティーナを連れ、住み込むことになる。初めての豊かな白人の世界に喜ぶクリスティーナ。さらに、礼儀正しく美しいクリスティーナを一目で気に入ったデボラは、自分の娘を差し置いて世話を焼き始める。ある日、ジョンが浜辺の色ガラスを集めるよう子どもたちに提案する。そして、買い取ると。その事実を知るや、憤るフロール。しかし、英語のできない彼女は、怒りまでをクリスティーナに通訳させるしかない。そこで、フロールはずっと避けてきた英語を学びはじめる。子供を思う気持ちを通じ、少しずつ心を近づかせていくフロールとジョン。一方、デボラは家族をかえりみず、外出がちな生活がエスカレート。そして、嵐のような夜が訪れるのだった。