乱歩地獄
(C)2005「乱歩地獄」製作委員会
江戸川乱歩の小説4編を映画化したオムニバス作品。
■『火星の運河』
荒野を歩き続ける男。どこまで歩いても渇いた大地が広がるだけ。ふと気づけば、目の前にぽっかりと沼が口を開けていた。沼の水面を覗き見れば、自分の体が恋人そっくりな白い女の肉体になっている。
■『鏡地獄』
茶道遠州流の師範である山科小夜子が変死した。続いて、その茶席に出席していた篠宮治美も変死。事件の現場には、必ず和鏡が置いてあった。その鏡を製造したのは、いつきとおる齋透。彼は小夜子とも治美とも肉体関係を持っていた。
■『芋虫』
両手両足を戦争で失い、胴体だけになった須永中尉とその妻・時子がひっそりと暮らしている。時子は彼への残虐な欲望を抑え切れず、日々、異常な性交に溺れていた。そんな彼らを、書生だった平井太郎が屋根裏で監視している。時子は夫の片目をつぶし、残った片目を平井がつぶす。
■『蟲』
柾木愛造は、女優の木下芙蓉想いを寄せている。芙蓉には忠実な恋人がいる。ある日、ついに芙蓉に自分の想いを告げた。だが、虚しく散っていった。そして柾木は、芙蓉を襲って殺害し、屍を自分の部屋に運び入れる。
- 公開日
- 2005年11月5日(土)
- 製作年
- 2005
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 134
- INTRODUCTION
- 日本屈指の怪奇幻想ミステリー、江戸川乱歩の小説。その世界を、全く新しい乱歩ワールドとして描いたのが本作である。いまだかつて誰もメガホンを取らなかった4つの作品を、大胆に脚色して映画化。世にも美しい愛の地獄絵巻が展開する。幻想的な悪夢譚である『火星の運河』。鏡の魔性に魅入られた美青年の狂気を描いた『鏡地獄』。両手足やほとんどの身体機能を失った夫と、彼に性的暴力を加える妻の歪んだ愛のかたち『芋虫』。そして、あこがれの女優を完全に手に入れようとする男を描いた『蟲』。4話オムニバスの構成であるが、ひとつの長編として楽しめる。監督陣には個性派の鬼才が結集した。『火星の運河』は竹内スグル。『鏡地獄』は『D坂の殺人事件』以来、7年ぶりに江戸川乱歩作品を手掛ける実相寺昭雄。『芋虫』はピンク映画界の鬼才、佐藤寿保。『蟲』は、若者にカリスマ的人気を誇る漫画家、カネコアツシ。今作で待望の映画監督デビューを果たした。出演は、唯一全編にわたって登場するこの物語の“幻視者”に浅野忠信。ほか「いま、会いにゆきます」の成宮寛貴、『恋の門』の松田龍平、森山開次、市川実日子、寺田農、岡元夕紀子、韓英恵、大森南朋、緒川たまきなど個性豊かな俳優陣が脇を固めている。
- STORY
- ■『火星の運河』 荒野を歩き続ける男。どこまで歩いても渇いた大地が広がるだけ。ふと気づけば、目の前にぽっかりと沼が口を開けていた。沼の水面を覗き見れば、自分の体が恋人そっくりな白い女の肉体になっている。男の意識はかつて女と過ごした時間へと遡っていく。 ■『鏡地獄』 茶道遠州流の師範である山科小夜子が変死した。続いて、その茶席に出席していた篠宮治美も変死。事件の現場には、必ず和鏡が置いてあった。その鏡を製造したのは、いつきとおる齋透。彼は小夜子とも治美とも肉体関係を持っていた。そして、透は義理の姉である梓とも情交を結ぶ。そしてまた、梓が変死。その鏡は、映した者の魂を吸い取ると言われる伝説の死の鏡だったのだ。 ■『芋虫』 両手両足を戦争で失い、胴体だけになった須永中尉とその妻・時子がひっそりと暮らしている。時子は彼への残虐な欲望を抑え切れず、日々、異常な性交に溺れていた。そんな彼らを、書生だった平井太郎が屋根裏で監視している。時子は夫の片目をつぶし、残った片目を平井がつぶす。そこに時子が現れ、夫と自分も同じ姿になると平井に告げる。やがて、二匹の虫を引き連れて、乳母車を押す平井の姿があった。 ■『蟲』 柾木愛造は、女優の木下芙蓉想いを寄せている。芙蓉には忠実な恋人がいる。ある日、ついに芙蓉に自分の想いを告げた。だが、虚しく散っていった。そして柾木は、芙蓉を襲って殺害し、屍を自分の部屋に運び入れる。しかし芙蓉の美しい屍は、恐ろしい速さで腐り始めていった。防腐をしようとする柾木だったが、うまくできない。次第に常軌を逸し、柾木は屍に絵の具で化粧をほどこすのだ。
- CASTING
- ●浅野忠信 1973年11月27日生まれ。横浜出身。90年「バタアシ金魚」で映画デビュー。97年。日本アカデミー話題賞、横浜映画祭主演男優賞。主な出演作は「御法度」(99)、「水の女」(02)、「わたしのグランパ」(03)、「父と暮らせば」(04)、「ヴィタール」(04)、「茶の味」(04)、「誰がために」(05)など。 ●成宮寛貴 1982年9月14日生まれ。東京都出身。主な出演作は、テレビ/「ごくせん」「オレンジデイズ」「Mの悲劇」「いま、会いにいきます」。映画/「溺れる魚」(01)、「ラヴァーズ・キス」(03)、「あずみ」(03)、「NANA」(05)など。 ●松田龍平 1983年5月9日生まれ。東京都出身。99年「御法度」で映画デビューし、日本アカデミー賞、ゴールデンアロー賞、ブルーリボン賞など多数受賞。主な出演作は、「青い春」(02)、「ナイン・ソウルズ」(03)、「恋の門」(04)、「NANA」(05)など。 ●岡元夕紀子 1979年5月5日生まれ。神奈川県出身。97年「バウンスkoGALS」で映画デビュー。主な出演作は「アナザヘブン」(00)、「誰も知らない」(04)、「2番目の彼女」(04)など。 ●韓英恵 1990年11月7日生まれ。01年「ピストルオペラ」で映画デビュー。主な出演作は、「Jam Films 2」(03)、「誰も知らない」(04)、「阿修羅城の瞳」(05)など。
- 映倫
- 20
- 配給会社
- アルバトロス・フィルム