晴れて今宵は
1959年3月21日(土)公開
今日も建設現場では、日雇人足から立身出世した平河建設社長の平河荘三が、罵声をはり上げていた。荘三は頑固で、家庭でも会社でも雷親爺で有名だった。ある日、荘三と昔別れた女との間に生れたゆきえという娘が、十五万円の無心にやって来た。一度は追いかえしたが、荘三が帰宅すると女中になっているのをみて驚いた。平河一家は料理好きの妻志乃、ムッツリヤの絵描きで長男の俊作、親爺の競争相手の工藤建設の息子正志と恋愛中のハネッカエリの裕子、ジャズマン志望の次男・雄二だった。家族は荘三に頭が上らなかったのが、ゆきえが女中になってから、主人が女中にやりこめられるという珍現象が起った。