弾痕街

(C)KADOKAWA 1955
横浜港には荷主と労働者の間に介在して荷揚作業をやるいくつかの請負会社がある。五年前、この請負会社間の争いから人を刺して入獄した矢代隆二が刑期を終えて出て来た。彼は元の会社の前島組に行くが、彼のいない間に小頭になった風見から敵意をふくんだ扱いを受けた。隆二には弟の達夫があった。達夫は港の税関吏になっていた。達夫には恋人の信子があり結婚を間近にひかえていた。

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