初恋のアルバム 人魚姫のいた島
ナヨンは郵便局に勤めるごく平凡な女の子。彼女には悩み事があった。それは、頑固で口の悪い母ヨンスンと、お人好しの父との夫婦仲がすっかり険悪になったこと。それが原因で彼氏との結婚に踏み切れない。ある日、父が姿をくらましてしまう。仕方なくナヨンは、楽しみにしていた海外旅行を取り止め、父の行方を捜しに両親の生まれ故郷の島へと旅立った。そこで彼女が目にしたのは、30年前の純粋で優しい自分そっくりの若き母と、若き郵便配達員の父の仲睦まじい姿だった。母の優しい応対や、文盲の母に愛情を込めて文字を教える父の姿を見ているうちに、2人の愛の深さを知った。その後、この不思議な世界から現実に立ち戻ったナヨンは、故郷の島で病に伏した父を見つけた。嫌がる母を呼び寄せた。思い描いていた幸せを手にできなかった母は、病床の父にやりきれない思いをぶつけるのだが、やがて2人は夫婦にしか分からない愛の深さを確認する。そしてナヨンも結婚という問題と正直に向き合うのだった。