KARAOKE 人生紙一重
井上大佑は大阪のお好み焼き屋の息子。彼は、父のコネでやっと入った証券会社を勝手に辞め、ロカビリーに憧れていることから、音楽で身を立てることを決心した。大佑はハワイアン・バンドのドラムのテストを受け、ボーカル志望で来ていたお嬢様・村岡洋子に一目惚れする。二週間後、早くも大佑は洋子にプロポーズすることを決めていた。しかし、デートの日、洋子は忠雄の妨害にあって来られない。大佑は洋子を諦め、愛犬のドン兵衛を連れて音楽の武者修行に出るのであった。キャバレー、クラブ回り、仕事につけず、空腹で路上に倒れ込んでしまう。ところが、人気歌手の千本木昌夫に拾われ、一年間リサイタルの司会を務めることになった。家を出てから三年、大佑は洋子の見合いを知りその場に駆けつけた。怒る洋子の父の言葉に、「洋子はんの傘になります」と宣言する大佑。そうして大佑と洋子は狭いアパートで新婚生活を開始した。ある日、音痴の鉄工所社長・佐倉の、外れたキーやテンポに合わせた伴奏が大ウケ。大佑はテープに伴奏を吹き込み、株主招待旅行に出発するという佐倉に渡す。旅先で拍手喝采を浴びた佐倉は、興奮して他の曲もテープに入れて欲しいと言い出す。大佑の頭にひらめくものがあった。電気店に駆け込み、ミニアンプやカーステの改造を頼み込む。数日後、数台の機械が完成した。8トラックとジュークボックスが組み合わさったような、キーが自在に変えられる、融通のきくオーケストラ「8ジューク」。「カラオケ」の誕生だった。「8ジューク」の人気はまたたく間に神戸、大阪で爆発。鬱病だったバンド仲間の崎守までが、カラオケで楽しそうに歌い始めた。そしてカラオケが世界に向けて普及を始めたのである。
- 公開日
- 2005年5月14日(土)
- 監督
- 辻裕之
- 撮影
- 小松原茂
- 音楽
- 遠藤浩二
- 製作年
- 2005
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 113
- INTRODUCTION
- 世界で初めて「カラオケ」を発明した井上大佑氏。その開発の陰には意外な事実と感動的なドラマがあった。カラオケを開発して大衆に拡げ、さらにはタイム誌で「今世紀もっとも影響のあったアジアの20人」として、ガンジー、毛沢東、昭和天皇とともに選ばれることにもなった井上大佑氏の半生を、魅力溢れるキャストで描いた作品である。1960年代後半~70年代の神戸、大阪を舞台に、当時の世相を織りまぜながら、主人公のひたむきに生きる眩しい姿が生き生きと描かれている。主演の井上大佑役には、ドラマのみならず、自らもLIVのアーティスト名で音楽活動にも積極的な押尾学。エンディングテーマ「光陰」は、歌唱・作詞・作曲を担当している。大佑が恋をするお嬢様洋子役には、吉岡美穂。大佑の父親役の宇崎竜童、母親役の室井滋、高田純次、小沢仁志、間寛平、蟹江敬三といった個性的な豪華俳優陣が脇を固めている。さらには、星野仙一が冒頭とラストのナレーションを担当している。大佑の心に感銘を与える歌手役で千昌夫が特別出演し、スパイスを効かせる。「星影のワルツ」、「こまっちゃうな」などの当時のヒット曲も楽しい。監督は「修羅の群れ」(02)の辻裕之。
- STORY
- 井上大佑は大阪のお好み焼き屋の息子。彼は、父のコネでやっと入った証券会社を勝手に辞め、ロカビリーに憧れていることから、音楽で身を立てることを決心した。大佑はハワイアン・バンドのドラムのテストを受け、ボーカル志望で来ていたお嬢様・村岡洋子に一目惚れする。二週間後、早くも大佑は洋子にプロポーズすることを決めていた。しかし、デートの日、洋子は忠雄の妨害にあって来られない。大佑は洋子を諦め、愛犬のドン兵衛を連れて音楽の武者修行に出るのであった。キャバレー、クラブ回り、仕事につけず、空腹で路上に倒れ込んでしまう。ところが、人気歌手の千本木昌夫に拾われ、一年間リサイタルの司会を務めることになった。家を出てから三年、大佑は洋子の見合いを知りその場に駆けつけた。怒る洋子の父の言葉に、「洋子はんの傘になります」と宣言する大佑。そうして大佑と洋子は狭いアパートで新婚生活を開始した。ある日、音痴の鉄工所社長・佐倉の、外れたキーやテンポに合わせた伴奏が大ウケ。大佑はテープに伴奏を吹き込み、株主招待旅行に出発するという佐倉に渡す。旅先で拍手喝采を浴びた佐倉は、興奮して他の曲もテープに入れて欲しいと言い出す。大佑の頭にひらめくものがあった。電気店に駆け込み、ミニアンプやカーステの改造を頼み込む。数日後、数台の機械が完成した。8トラックとジュークボックスが組み合わさったような、キーが自在に変えられる、融通のきくオーケストラ「8ジューク」。「カラオケ」の誕生だった。「8ジューク」の人気はまたたく間に神戸、大阪で爆発。鬱病だったバンド仲間の崎守までが、カラオケで楽しそうに歌い始めた。そしてカラオケが世界に向けて普及を始めたのである。
- CASTING
- ●押尾学 1978年5月6日生まれ。東京都出身。1998年、TVドラマ「愛、ときどき嘘」でデビュー。02年「Without You」でCDデビュー。本作で映画デビューとなる。 他ドラマ出演は「春ランマン」(02)、「クニミツの政」(03)、「夢で逢いましょう」など。 ●吉岡実穂 1980年2月3日生まれ。大阪府出身。映画「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」(03)で25代目ヒロインとして出演。他ドラマ出演は 「巌流島」(03)、「逮捕しちゃうぞ」(02)、「あした天気になあれ。」(03)、「電池が切れるまで」(04)、「黒革の手帖」(04)など。 ●宇崎竜童 1946年2月23日生まれ。京都府出身。1973年、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド結成。82年「駅-STATION」で、日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。 ●室井滋 富山県出身。「風の歌を聴け」で映画デビュー。「居酒屋ゆうれい」(94)、「のど自慢」(99)、「MAKOTO」(05)に出演。 ●ベンガル 1951年8月17日生まれ。東京都出身。柄本明、綾田俊樹らと1976年に劇団東京乾電池を結成。「なごり雪」(02)、「ウイニングパス」(04)、「理由」(04)などに出演。 ●貫地谷しほり 1985年12月12日生まれ。東京都出身。01年「惨劇館/夢子」で映画デビュー。「スウィングガールズ」(04)で注目を集める。「修羅の群れ」(02)に出演。