またの日の知華
<第1章>60年安保闘争時に身も心も傷ついた元機動隊員の良雄。彼の従妹の知華が、そんな良雄にとってはいつも眩しい存在だった。知華は体操選手となる夢を断念し、中学の体育教師となり、良雄と結婚する。そして、全共闘運動で揺れる東京で純一を出産するのだった。教師として、母として、妻として、懸命に生きようとする知華だった。
<第2章>やがて郷里の母校に勤めるようになった知華に、新任体育教師、和也が接近してきた。知華はいつしか惹かれていくようになり、和也との性の開放感に浸るのだった。そんな中、1972年2月、自宅療養を許された良雄が帰ってくる。激情に駆られた和也は、深夜、知華を呼び出すのだった。
<第3章>知華の教え子、幸次は、姉の率いるゲリラグループに属していた。アジトが内ゲバで襲われた夜、幸次と知華は再会した。教職を辞した後、知華は借金に追われるように単身で上京していたのだ。和也から手切金を受け取った知華は幸次の祖母の元に身を寄せる。そこで、幸次は知華と結ばれる。
<第4章>流れ者の瀬川は、場末のスタンドバーで売春の客として知華と出会う。そして知華は、深い仲になってゆく。しかし、知華は、和也との生活も続いていたのだ。瀬川は預けていた金を、知華が使い込んことを知った。瀬川はイカサマ賭博を口実に知華を旅に誘った。旅の終わりは飛島。真っ赤な夕焼けが海に燃え落ちていく。
- 公開日
- 2005年1月15日(土)
- 監督
- 原一男
- 脚本
- 小林佐智子
- 撮影
- 岡雅一
- 音楽
- 上田亨
- 製作年
- 2004
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 114
- STORY
- ドキュメンタリー監督の原一男が劇映画に挑戦した待望の作品。ヒロインの知華と4人の男たちとの愛を四つの章に分け、4人の女優が1人のヒロインを演じる。世界でも例のない画期的な試みとして大きな話題となった作品である。数年の間にヒロインの知華が4人分の人生を生きたかのように、顔も個性もまったく違う女優を起用したのである。出演は、知華を演じるのは、『皆月』の吉本多香美、『M/OTHER』の渡辺真起子、演劇界で圧倒的な人気を誇る金久美子、そして桃井かおり。相手役は、『草の乱』の田中実、『ハッシュ!』の田辺誠一、TV「仮面ライダーアギト」の小谷嘉一、『ホタル』の夏八木勲。またエピローグに登場する五人目の男、知華の息子に『隠し剣鬼の爪』の吉岡秀隆。脚本・製作は小林佐智子。撮影は岡雅一、照明(第三章・第四章)は『カンゾー先生』の山川英明、録音は『皆月』の西岡正已、編集は『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』で原監督と組んだ鍋島惇、美術は『アンラッキー・モンキー』の大庭勇人、音楽は「ROAD」の上田亨など実力派スタッフが担当している。
- CASTING
- <第1章>60年安保闘争時に身も心も傷ついた元機動隊員の良雄。彼の従妹の知華が、そんな良雄にとってはいつも眩しい存在だった。知華は体操選手となる夢を断念し、中学の体育教師となり、良雄と結婚する。そして、全共闘運動で揺れる東京で純一を出産するのだった。教師として、母として、妻として、懸命に生きようとする知華だった。<第2章>やがて郷里の母校に勤めるようになった知華に、新任体育教師、和也が接近してきた。知華はいつしか惹かれていくようになり、和也との性の開放感に浸るのだった。そんな中、1972年2月、自宅療養を許された良雄が帰ってくる。激情に駆られた和也は、深夜、知華を呼び出すのだった。<第3章>知華の教え子、幸次は、姉の率いるゲリラグループに属していた。アジトが内ゲバで襲われた夜、幸次と知華は再会した。教職を辞した後、知華は借金に追われるように単身で上京していたのだ。和也から手切金を受け取った知華は幸次の祖母の元に身を寄せる。そこで、幸次は知華と結ばれる。<第4章>流れ者の瀬川は、場末のスタンドバーで売春の客として知華と出会う。そして知華は、深い仲になってゆく。しかし、知華は、和也との生活も続いていたのだ。瀬川は預けていた金を、知華が使い込んことを知った。瀬川はイカサマ賭博を口実に知華を旅に誘った。旅の終わりは飛島。真っ赤な夕焼けが海に燃え落ちていく。 ●吉本多香美 1971年10月13日生まれ。主な出演作は<映画>『樹の上の草魚』(97)、『皆月』(99)、『ウルトラマンティガ』(00)、<TV>「世界ふしぎ発見」(94)、連続テレビ小説「あぐり」(97)、「料理バンザイ!」(98)など。 ●渡辺真起子 1968年9月14日生まれ。主な出演作は<映画>『病院へ行こう PART2』(93)、『GONIN』(95)、『セカンドチャンス』(99)、『贅沢な骨』(01)<TV>「出逢った頃の君でいて」(94)、「愛人の掟」(00)、朗読紀行「焼跡のイエス」(02)など。 ●金久美子 1958年10月11日生まれ。主な出演作は<映画>『愛乱』(89)、『狂った愛の歌』(90)、『月はどっちに出ている』(93)、『失楽園』(97)、『コキーユ』(98)<TV>テレビ小説「天うらら」、「外科医・柊又三郎2」、「家政婦は見た」など。 ●桃井かおり 1952年4月8日生まれ。主な出演作は<映画>『愛ふたたび』(71)、『エロスは甘き香り』(74)、『青春の蹉跌』(74)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『もう頬づえはつかない』(79)、『影武者』(80)、『木村家の人びと』(88)、『スワロウテイル』(96)、『クロスファイヤ』(00)、『異邦人たち』(01)など。
- 映倫
- 110